映画「正欲」感想 理解されない性癖、生き辛いマイノリティの苦悩を描く群像劇

こんちゃ映画好きtakaarです
今回は『桐島、部活やめるってよ』の原作でも知られる朝井リョウの柴田錬三郎賞受賞作を映画化した「正欲」。性的マイノリティの苦悩を描く群像劇。監督は「あゝ、荒野」「前科者」の岸善幸。出演は稲垣吾郎、新垣結衣、磯村勇斗、東野絢香、佐藤寛太らが出演する。主演新垣結衣の新境地としても注目される今作。ってことで感想を


  • 監督:岸善幸
  • 脚本:港岳彦
  • 原作:朝井リョウ「正欲」
  • 出演者:新垣結衣、稲垣吾郎、磯村勇人、東野絢香、佐藤寛太、
  • 撮影:夏海光造
  • 配給:ビターズ・エンド
  • 公開: 2023年11月10日
  • 上映時間:134分


横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、息子が不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突している。広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月は、実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返している。ある日、中学のときに転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。ダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也。学園祭でダイバーシティをテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演を計画した神戸八重子はそんな大也を気にしていた。
同じ地平で描き出される、家庭環境、性的指向、容姿     様々に異なる背景を持つこの5人。だが、少しずつ、彼らの関係は交差していく。
 

 

 




「正」しい「欲」ってなんですか?
理解されないマイノリティの苦悩を描く群像劇

そんなマイノリティの心の叫びを描くこの作品。少し変わっているだけで白い目で見られ、ハブられる日本人社会って同調圧力が強くて嫌になりますね…。いつまでも結婚しないでフラフラしている主人公夏月(新垣結衣)に

〝早く結婚すれば良いのに、アナタが心配だから言ってるの

ありがた迷惑な豪速球を投げてくる同級生。死〇でくれ!もういいからほっといてくれって思うよね。普通のレールに乗っかれないマイノリティには生きづらい世の中。

特に性癖のことにはデリケートな日本人、性癖が変わっている=〈変態〉となってしまう…だから易々と口にすることができない風潮。確かに犯罪スレスレな性癖もいっぱいあるしね。ましてやグレーゾーンに於いては即刻私人タイーホ!みたいになっちゃうしねw。もうやめてくれんかね自粛警察、ただの欲求不満の歪んだ正義感にしか見えんし、それに自分の行いは自分に帰ってくるぜ特大ブーメランだよ…

そんなカミングアウトできない息苦しさ、カミングアウトしても理解してもらえないもどかしさを抱え生きている主人公、桐生夏月(新垣結衣)と佐々木佳道(磯村勇人)たち。孤独感で生きる気力も出ない毎日〝もう死んでしまおう…〟何度もそんなことを考えてしまう生活。彼らの性癖は〈水〉に欲情してしまう水フェチ。確かに共感しづらい…、ああ、そんな人もいるのね…となる。けどやっぱ心底理解はできない。だってS〇Xもした事ないし、全く興味もないし、興奮もしないって真顔で言うんだもんね…。お互いに分かり合えない異星人な感覚かもね




そんな夏月たちはある出来事から、犯罪容疑の疑いがかかってしまう。その追求をミスターマジョリティの検事寺井啓喜(稲垣吾郎)が迫る。彼はエリートでこれまでの人生においてはみ出した事がないエリート人間、「普通」代表みたいな人。だからマイノリティの性癖なんて理解できるわけもなく〝?????〟何言ってるかよく分かんない…となる。だから

なぜそんな訳の分からない言い訳をするんだ!

となってしまう、ちゃんと説明しているのに分かってもらえない…。こうなると〝もういいやw〟となり、寂しい気持ちで〝死〇たい〟ってなるのもしょうがないか…
自分はマジョリティ(多数派)だから正しいんだッ!とばかりにマイノリティの夏月を尋問する寺井。でも〈正しい〉はずの彼の家庭は崩壊寸前であった。そんな寺井に夏月は

マジョリティなアナタは幸せなのでしょうか?

と目で訴える。家庭崩壊の危機にある寺井はぐうの音も出ない…
正しいはずなのに…






化粧っ気もなく楽しくないから笑えない、地味な販売員を演じるガッキー。実に可愛くないw。あのいつもの自然体で可愛い新垣結衣が可愛くないのだ!。この映画を観てやっぱり顔の表情ってめちゃくちゃ大事なんだなぁと思う。コミュニケーション大事

だってあのガッキーが可愛くないんだぜ!

そんな新垣結衣の新しい演技にも注目ですよ

前半で大学生の男女として出てくる諸橋大也(佐藤寛太)と神戸八重子(東野絢香)のパートでの演技も胸にグッとくる!。マイノリティの2人もやはり表向き普通を装い生活している。大也は水フェチ、八重子は男性恐怖症を胸の奥にしまい込む。八重子は実の兄の影響から男性恐怖症になるが、不思議と大也には嫌悪感を感じず自然に接することができる。しかも大也は容姿端麗なイケメンだし。
そして八重子は意を決して告白する。自身が〈男性恐怖症〉であること、それでも大也のことが好きだと。大也にダメと拒絶され、それでも諦めず〝自分のことを分かって欲しい、アナタのことも分かりたい〟強い想い。その本気の告白、対峙、迫真の演技に心震わされます。


実は私もマイノリティな思考の持ち主で〝分かってもらえないんだろうな〟と思い日々やり過ごしていることも多い。説明に時間を費やすのも面倒だし、分かってもらえないかもだし…と思って。だからこの映画の中の人たちのような重たい内容ではないけれど夏月たちの思いも分かる気がします。面倒だから説明しないところが甘えってか、知らんけどwww
というか「正しい」を探し、確かめることを誰も求めなくなって、へぇそうなんだ変わってるね(笑)くらいな日本社会になればいいのになと思う。多様な価値観のもとに。

あー、また暗い映画を観に行ってしまったゼ…でも好きだからしょうがない…。ここでも磯村勇人が出ている!社会派ドラマ=磯村勇人みたいな構図になってるよね、完全にw。でも今は「不適切にもほどがある」でも活躍中ですよね。あ、これも何気に社会派のドラマですもんね〜、大好きです!
ってことで




勝手に評価点

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